サポーター活性化ラボ

アンケート回答者の声を活かす:サポーターの期待を知る分析と具体的なアクション

Tags: アンケート, データ分析, サポーター, コミュニティ活性化, エンゲージメント

はじめに:なぜアンケートデータは「宝の山」なのか?

非営利団体の活動において、サポーターの皆様の声は非常に重要です。多くの場合、団体はサポーターへの理解を深めるためにアンケートを実施されていることと思います。しかし、アンケートを集計しただけで満足し、その後の分析や活用まで手が回らないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アンケートデータは、サポーターの皆様が団体に何を期待しているのか、どのような点に満足・不満を感じているのか、といった貴重な「本音」が詰まった宝の山です。このデータをしっかりと分析し、活動やコミュニケーションに反映させることは、サポーターとの関係性を強化し、コミュニティを活性化するために非常に有効な手段となります。

この記事では、手元にあるアンケートデータをどのように分析し、その結果を具体的なアクションに繋げていくかについて、NPOの実務担当者の方がすぐに取り組める方法を中心に解説します。

アンケートデータを分析可能にする準備

まず、アンケートデータを分析しやすい形に整理する必要があります。

  1. データの集約と整理:

    • 紙で回答されたアンケートは、デジタルデータ(Excelやスプレッドシートなど)に入力します。
    • オンラインフォームで回答された場合は、データをエクスポートします。
    • 全ての回答を一つのデータファイルにまとめます。回答者ID、属性情報(もし取得していれば、例:年代、お住まいの地域、サポーター歴など)、各質問への回答といった項目が列になるように整理します。
  2. 回答のクリーニング:

    • 全角・半角の統一、表記の揺れの修正(例:「NPO法人」「NPO」など)、不要な文字の削除などを行います。
    • 無効な回答や明らかに不適切な回答は除外を検討します。

この段階で、回答者数や回答率を確認しておきましょう。全体の傾向を見る上で重要な情報となります。

手元でできる!具体的な分析手法

高度な分析ツールや統計知識がなくても、Excelなどの表計算ソフトを使って様々な分析が可能です。ここでは、サポーターの本音や期待を探るための基本的な分析手法をご紹介します。

基本集計で全体像を掴む

自由記述から本音を探る

自由記述の回答には、サポーターの具体的な意見や感情が表れています。量が多いと大変ですが、一つ一つ丁寧に読む価値があります。

クロス集計で隠れた傾向を見つける

単純集計だけでは見えない、特定の属性と回答の関連性を見るのがクロス集計です。

分析結果を読み解くための視点

数字や集計結果が出たら、次に重要なのはそれをどう解釈するかです。

分析を次の「アクション」へ繋げる

分析で得られたサポーターの「声」や「期待」を、具体的な活動やコミュニケーションに活かすことが最も重要です。

活動やコミュニケーションへの反映

回答者への感謝と結果の共有

アンケートに協力してくださったサポーターへ感謝の気持ちを伝え、可能であればアンケート結果の概要や、それを受けて団体がどのように考えているのかをフィードバックしましょう。

これにより、サポーターは自分の意見が無視されていないと感じ、団体への信頼感やエンゲージメントが向上します。

まとめ:アンケートデータ活用のサイクルを回そう

アンケートデータは一度分析して終わりではなく、継続的に活用することで真価を発揮します。

  1. アンケート実施
  2. データ収集・整理
  3. 分析
  4. 結果の解釈
  5. アクションの実施
  6. 回答者へのフィードバックと結果共有

このサイクルを回し続けることで、団体は常にサポーターの皆様の「今」の期待やニーズを把握し、より良い関係性を築いていくことができます。手元にあるアンケートデータを、ぜひ宝の山として積極的に活用してみてください。